全日本空手道選手権優勝、そして総合格闘技GRACHANフェザー級王者として活躍する伊藤空也選手。
2026年8月4日、渋谷クロスFM『透明な履歴書』に出演し、格闘技を続ける中で培ってきた考え方や、試合に臨むまでの日常について語った。
リングに立ち、相手と向き合う。
格闘技を知らない人からすれば、試合当日は特別な一日に思える。
極度の緊張や恐怖と戦い、気持ちを高めて本番を迎える——そんな姿を想像するかもしれない。
しかし、伊藤選手から返ってきたのは、それとは少し違う答えだった。
試合だからといって、特別なことをするわけではない。
伊藤選手にとって試合は、日々繰り返してきたトレーニングの延長線上にあるものだった。

伊藤空也選手:渋谷クロスFM『透明な履歴書』
収録の様子
番組の中で印象的だったのが、伊藤選手が試合に挑む際の考え方だった。
「俺はもう勝っている」
そう思って試合に挑むという。
もちろん、勝負には何が起こるか分からない。
それでも、そう思えるのは、試合当日に突然生まれる
自信があるからではない。
そこまでの日常があるからだ。
毎日のトレーニングを重ねる。
自分の身体と向き合う。
そして、自分なりのルーティンを繰り返す。
やるべきことを試合の日まで積み重ねてきたからこそ、リングに上がるときには「もう勝っている」と思える。
自信は、本番でつくるものではない。
それまでの毎日が、自信をつくっている。
伊藤選手の言葉から見えてきたのは、そんな勝負への向き合い方だった。

「俺はもう勝っている」伊藤空也選手の言葉
試合の日には、何か特別なスイッチが入るのだろうか。
番組では、そんな本番前の過ごし方についても話が広がった。
しかし伊藤選手にとって、試合だからといって日常が大きく変わるわけではない。
至って普通の日常。
そう語れる背景には、普段から続けているトレーニングと、自分自身のルーティンがある。
試合の日だけ突然頑張るのではない。
その日に向けて、毎日やるべきことをやる。
だから本番が来ても、いつも通りでいられる。
結果だけを見ると、私たちは「勝った日」に注目する。
けれど、その一日をつくったのは、ニュースにも
ならない何百日もの日常だ。
誰にも見られていない練習。
同じことを何度も繰り返した時間。
身体を整え、次の日もまたトレーニングをする。
王者をつくっている時間のほとんどは、実はとても地味なのかもしれない。

堂々としている伊藤空也選手
番組では、伊藤選手が格闘技の世界へ進んだきっかけについても語っていただいた。
空手からMMA(総合格闘技)へ。
そして格闘技を続けるため、環境を変えながら自分が選んだ道を歩いてきた。
現在の姿だけを見れば、「格闘家」「チャンピオン」という華やかな肩書きが並ぶ。
しかし、その肩書きが最初から用意されていたわけではない。
始める。
続ける。
練習する。
試合に出る。
また練習する。
その繰り返しの先に、現在の伊藤空也選手がいる。
人生を変えるのは、大きな決断だけではない。
一度決めたことを、次の日も、その次の日も続けていくこと。
伊藤選手の歩みからは、そんな「続けること」の強さも見えてきた。

試合の様子
格闘技では、ただ強くなればいいわけではない。
試合当日に自分の力を発揮するためには、日々のコンディション管理も欠かせない。
番組では、トレーニングだけではなく、試合を迎えるまでの身体との向き合い方についても話を伺った。
私自身、歌の収録や撮影、ラジオの前には食事や体調を意識することがある。
けれど格闘家の場合、その管理はそのまま競技につながっている。
練習すること。
休むこと。
身体を整えること。
そして決めたルーティンを続けること。
一見すると何も起きていない「普通の日」に、自分の身体をどう扱うか。
それもまた、リングの上では見えない格闘家の仕事なのだと思う。

勝ち続けることだけが、競技人生ではない。
番組では、伊藤選手が格闘技と自分自身について考えた時間についても語られた。
格闘技を続けてきたからこそ、それが自分からなくなったときのことを考える。
好きなことを仕事にしている人ほど、それを失うことへの怖さは大きいのかもしれない。
履歴書には、優勝やチャンピオンという結果を書くことができる。
けれど、その途中で何を考え、何に迷い、それでもなぜ続けたのか。
そこまでは、肩書きだけでは分からない。
『透明な履歴書』で届けたいのは、まさにその部分だ。
結果ではなく、結果にたどり着くまでに、その人が何を考えて生きてきたのか。
伊藤選手の話からも、リングの上だけでは見えない一人の人間としての姿が見えてきた。

今回、伊藤空也選手のお話を伺って、私が最も印象に残ったのは、
「俺はもう勝っている」
という言葉だった。
最初に聞いたときは、格闘家らしい強い言葉だと思った。
でも、話を聞いていくと、その意味は少し違っていた。
根拠なく「自分は勝つ」と思っているわけではない。
そう思えるところまで、毎日やっている。
練習して、身体を整えて、自分のルーティンを繰り返す。
だから本番になっても、特別なことをする必要がない。
試合は、いつもの日常。
私は格闘技とはまったく違う世界にいるけれど、この感覚は仕事にも、歌にも、撮影にも通じるものがあると思った。
本番だけうまくやろうとしても、なかなかうまくはいかない。
本番の日に持っていけるのは、それまでに自分が積み重ねてきたものだけだからだ。
履歴書には、
「全日本空手道選手権優勝」
「GRACHANフェザー級王者」
と書くことができる。
でも、その結果をつくった何百回、何千回ものトレーニングは書かれない。
何も起きなかった普通の日も書かれない。
それでも、その「普通の日」こそが、その人をつくっている。
華やかな結果ではなく、そこにたどり着くまでの日常。
今回の伊藤空也選手のお話は、履歴書には書かれない日々の積み重ねこそ、その人の強さになることを教えてくれる時間となった。

伊藤空也(いとう・くうや)
総合格闘家。
全日本空手道選手権優勝を経て、総合格闘技の世界へ。GRACHANフェザー級王者として活躍する。
日々のトレーニングとルーティンを大切にし、試合を特別な一日として捉えるのではなく、日常の積み重ねの延長線上としてリングに立つ。
2026年8月4日放送
ゲスト:伊藤空也
番組スポンサー:濱崎健一
伊藤空也選手公式SNS・所属先・試合情報等
https://jp.rizinff.com/_tags/%E4%BC%8A%E8%97%A4%E7%A9%BA%E4%B9%9F
※公開後URLを掲載
「透明な履歴書」には、言葉にならない感情を託した「主題歌」があります。 限られた時間の中で録音された、祈りのような3つの旋律。 それぞれの物語の湿度に合わせて、静かに添えました。
川島琴里の声による朗読と、エピソードトーク。 現在、一つひとつの物語に音を灯す準備をしています。 完成したエピソードから、この場所で公開されていきます。
あなたの「影」の物語を、教えてください。 履歴書には書けなかった空白、誰にも言えなかった葛藤、そして再生の瞬間。
ハッシュタグ #あなたの透明な履歴書 (または #TransparentResume)をつけて、SNSで言葉にしてみてください。 投稿された物語の一部は、今後このサイトやPodcastにて、川島琴里の声で紹介させていただく場合があります。
「透明な履歴書」は、単なる個人の記録ではありません。 現代社会のシステムからこぼれ落ちてしまった「見えない時間」や「個人の尊厳」に光を当てる、アート・プロジェクトです。
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